みなさん、『ロードランナー』というゲームはご存知でしょうか。まぁ、レジェンド級のゲームですから、みなさんもよく遊んだんじゃないでしょうか。
え?ファミコンで遊んだ?あぁ、そうですか…、あれはでも…。
『ロードランナー』というゲーム
『ロードランナー』とは?
『ロードランナー』(Lode Runner)は、ダグラス・E・スミスにより考案され、ブローダーバンドから1983年に発売されたアクションパズルゲーム。『バンゲリングベイ』『チョップリフター』とともに、バンゲリング帝国三部作の一つである。後に上級編として『チャンピオンシップロードランナー』も発売された。
元々はAppleⅡ用に開発されたゲームで、その後数々のハードに移植されて世界規模でヒットを飛ばしたナイスなゲームです。
FM-7シリーズ(カセットテープ版)のパッケージ(『駿河屋』 で買えるよ!)。
遊び方
ステージ内にある金塊を全部回収して脱出すれば面クリアです。主人公は地面に穴をあけるレーザーガンを持っていて、穴をあけて敵を落としたり、自分が下の階層にいったりするのに使います。
アクションパズルゲームとしての楽しみ
1面が1画面に収まり、自分が動き出すまでゲームはスタートしません。最初に自分と金塊と敵の位置を確認し、ルート取りをしてスタート。思い通りにいかなければ瞬時に状況を判断し、ルートを決めなおし、効率的に金塊を得る。
この作業が『ロードランナー』を『ロードランナー』たらしめ、アクションパズルゲームとして愛された、そして今も愛される所以です。
ファミコン版『ロードランナー』
ファミコン版の『ロードランナー』はハドソンにより開発され、『ナッツ&ミルク』とともにファミコン初のサードパーティによるソフトとして名高いですね。
それまでのデジタルゲームは面クリア型のゲームばかりで、大体3種類くらいを延々と繰り返すゲームばかりだったのですが、たくさんの面が用意されていることが決め手だったようです。
また、オリジナル版とは違い、ファミコンで描かれたキャラクタは正方形になった(オリジナルは長方形)ため、1面が1画面に収まらず、それゆえに左右にスクロールする仕様になっています。元々の棒のキャラクタでは子供にウケない、という配慮もあったようです。ファミコンでスクロール技術が備わったのはこのハドソンの『ロードランナー』が初です。
ちなみに、上記の開発段階の裏話は、あの高橋名人が自身のブログで過去に明かしています。
『ロードランナー』ではなくなった『ロードランナー』
アクションパズルゲームの傑作としての『ロードランナー』とは、前述のとおり「最初に自分と金塊と敵の位置を確認し、ルート取りをしてスタート。思い通りにいかなければ瞬時に状況を判断し、ルートを決めなおし、効率的に金塊を得る」部分にあるとぼくは思っています。
しかし、ファミコン版『ロードランナー』は画面が一度に見えず、スクロールするおかげで効率的なルートを考えることができません。スクロールした先にいきなり敵がいて、とりあえずの回避運動をしなければなりません。敵が金塊を持ってるかどうかわかりませんから「敵に一度金塊を持たせて穴に落としてその金塊を取る」というこれぞパズルゲーム!といったテクニックも使えません。
ちなみにハドソンでは、それでスリルが増してゲームとしての楽しさが増したと考えたようです。高橋名人が書いてますね。
つまり、ファミコン版『ロードランナー』はアクションパズルゲームではなく、アクションゲームになった=『ロードランナー』ではなくなったのです。
実際、オリジナルのブローダーバンド社からは「これはパズルゲームではない」という理由でNGが出されています。高橋名人が説得したらしく、そのままでOKとなったようですが(どうやって説得したかは覚えてないらしい)、パズルゲームの『ロードランナー』がパズルゲームじゃないと言われたら、それは『ロードランナー』じゃないでしょう。
ファミコン版『ロードランナー』は『ロードランナー』ではないのです。
しかし楽しかったファミコン版『ロードランナー』
しかし、自身のブログ記事にて高橋名人が言うように、ファミコン版『ロードランナー』はゲームとして楽しかった!いきなり現れる敵に「ウッヒャー!」と驚き、穴に落とした敵がたまたま金塊を持っていて「ラッキー!」と叫び、楽しんでいたのは間違いありません。当時はパズルゲームとしての要素がどうとか何とか考えてませんでしたからね。ただただ「ファミコンたのしーっ!」ってだけですから。そういう意味では、高橋名人をはじめとするハドソンの判断は間違ってなかったと思います。
ただ、『ロードランナー』が『ロードランナー』と言う名の違うゲームになっただけです(しつこい)。
オリジナル版『ロードランナー』を遊びたい方へ
数々のレトロなパソコンに移植されたオリジナルの『ロードランナー』を遊びたいならば、スマホやタブレットでオリジナルを遊べる『Lode Runner Classic』というアプリがあるので、是非遊んでみてください。
Lode Runner Classic
Tozai, Inc.¥400posted withアプリーチ
また、ブラウザでも遊べます!
これすごい!
最後に
いやだから別にファミコン版『ロードランナー』を腐そうとしてるわけではないのですよ。
当時は、アーケードゲームをファミコンに乗っけるときでも色んな妥協や諦めや仕様変更がプライドを持って行われていたのです。
そういう時期を経たからこそ、日本のゲーム機市場は膨らみましたし、ゲームも発展していったのだと思います。