『少年ジャンプ+』で漫☆画太郎さんの『漫古☆知新-バカでもわかる古典文学-』という新連載が始まりました。
『珍遊記』でおなじみのあの漫☆画太郎先生が古典文学を?どういうこと?って思いますよね普通。ぼくもそう思いました。
しかも、第1話が小林多喜二の『蟹工船』。日本の元祖プロレタリア文学たる、『蟹工船』。
それを、漫☆画太郎が。
「おい、地獄さえぐんだで!」で始まる『蟹工船』ですが、『漫古☆知新』は読者が地獄へ誘われる凄まじい漫画でした。
『漫古☆知新』の『蟹工船』のスゴさ
そのスゴさをお伝えしましょう。
もう初っ端っから小林多喜二の名前を「カイジ」にしてるところがスゴいのです。
そしてカイジが乗る舟がカニの漁船じゃなくてギャンブル船というのがスゴいのです。
そんなカンジで最初の設定からぶっ飛んでると思ったら、ギャンブル船で待ち構えてるのがカネじゃなくてカニだった、と蟹に戻っていくのがもうスゴいのです。
そして、ぶっ飛んでるなと思ったら船員を威嚇するためにピストルをぶっ放す男が出てきて、原作の「監督」を思い出させるのもスゴいでしょう。
ぶっ飛んでると思ったら原作を思い出させるなんてスゴいなと思ってたらいきなり蟹が合体して暴れるのもスゴい。
そしていきなり「サルカニ合戦」なんてワードが出てきて画太郎漫画定番の階段からのトラックでオチというのも、めちゃくちゃスゴい。
いきなり「スゴい」の連発でバカ丸出しですけども、漫☆画太郎の漫画というのは昔っから「スゴい」か「スゴくない」かしかないのです。
そしてコレは間違いなくスゴい。
漫☆画太郎好きだけが読むべき
しかし、「『漫古☆知新』の『蟹工船』はめちゃくちゃスゴい!めちゃくちゃ圧倒されてめちゃくちゃ面白いから是非みんなにも読んでほしい!」とはぼくは思いません。
なぜなら、天下の奇才である漫☆画太郎の漫画というのは、人を選ぶからです。「スゴい」「スゴくない」以前に「好き」「嫌い」で分かれて、多分「嫌い」な人のほうが多い。
今回は、未だ衰えないどころかパワーアップした画太郎先生が堪能できるので、ということは嫌いな人はもっと嫌いになる可能性が高いので、すすめられません、ハイ。
最後に
でもね、これね、画太郎先生のハチャメチャさが際立ちすぎてて人を選ぶのは間違いないんですけど、『蟹工船』のパロディとしては秀逸だし、原作に興味を持てるようになる可能性は大いに秘めてると思います。
今後、古典文学を漫☆画太郎解釈でどこまでパロるのか、第2話はどんな古典文学を持ってくるのか、非常に楽しみなのは間違いありません。
覚悟が出来た人は、是非読んでみてください。
ぼくは、これだけのために『ジャンプ+』のアプリをスマホに入れてもいいな、と思ってます。それほどの漫画です。
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