「人間万事塞翁が馬」
ぼくはこの言葉が好きでよく自分に対して独り言で使ったりするんですが、うっかり人に使うと記事タイトルのような反応をいただきます。
どうもみんな聞いたことはあるけど意味はわからないし読み方は曖昧だしってそんなカンジらしいのです。
そこで今回は「人間万事塞翁が馬」について書いていこうと思います。
人間万事塞翁が馬
読みと意味
まず読みについて。
現在では通常は「にんげんばんじさいおうがうま」と読みますが、ホントは意味を考えると「人間」は「世間」という意味ですので「じんかんばんじさいおうがうま」のほうが正しいでしょうね。でも辞書では今は「にんげんばんじ~」なのでそれでいいと思います。
で、意味ですが、「人間」は先ほどかいたように「世間」、塞翁というのは「塞(砦=とりで)のジジイ」という意味ですから、全部を考えると「世間というのは全て塞のジジイの馬みたいなもんだ」ということになります。
なんのこっちゃ?????
となっちゃうと思いますが、由来のお話を理解すればわかってくるでしょう。出典は中国の古い書物『淮南子(えなんじ)』です。
由来のお話
中国の北の方、「胡」という異民族との国境の城塞にひとりの占い上手な老人が住んでいました。
あるとき、老人の馬が北の胡に向かって逃げていってしまいました。北方の馬は質が良くて高く売れるため、近所の人が気の毒がって老人をなぐさめにやってきました。ところが、全然老人は残念がっていません。
「やかましわ。これが幸福を呼び込むことになるかもしれんで」
そしてしばらく経ったある日、逃げた馬が戻ってきました。しかも胡の良馬を連れています。そりゃすごいと近所の人は今度はお祝いに駆けつけてきました。しかし老人は全然喜んでません。
「やかましわ。これが不幸を呼び込むことになるかもしれんで」
しばらくすると、この老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折る大けがをしました。近所の人がなぐさめにやってきました。しかし老人は喜々としていいました。
「やかましわ。これが幸福を呼び込むことになるかもしれんで」
やがて北方の胡に城塞は襲撃されました。なんとか塞を守り切りましたが、多くの若者がその戦争で死んでしまいました。しかし老人の息子は足をケガしていたのでその戦争には参加していませんでした。
おしまい。
人生先のことはわかりません
老人の馬のことで一喜一憂しすぎる近所の人たちはどうかと思わざるを得ません(笑)
まぁつまりは、何が幸福をもたらすか何が不幸をもたらすかはわからない、人生における幸不幸はまったく予測しがたい、ならばいちいち安易に喜んだり悲しんだりするべきではない、ということですね。
まったくその通りやで!
最後に
どうです?「人間万事塞翁が馬」の読みと意味、わかりましたか。
人間生きてると良いこと悪いこといっぱいありますからね、それに心を動かされそうなときは「ニンゲンバンジサイオーガウマ」と唱えてみてください。良いことが起こったときには戒め、悪いことが起こったときには励ます、そんな効果くらいはありますよ。
さん、ハイ!
ニンゲンバンジサイオーガウマ!ニンゲンバンジサイオーガウマ!ニンゲンバンジサイオーガウマ!