コンピュータRPGの祖のひとつである『ウィザードリィ』に、カシナートの剣(Blade Cusinart')という武器が登場します。特にシナリオ#1では村正ほどではないにせよ強力であり、プレイヤー憧れの武器でした。
先日、今遊んでいる『ウィザードリィ外伝 五つの試練』でそのカシナートの剣をやっとこさゲットして喜んでたんですが。
そのときにこのカシナートの剣について思い出したことがあるので書いておきます。
知ってる人はこの時点で「アレだろ?」って思うんでしょうけども、いい話のネタにはなるでしょう。
カシナートの剣とは
みなさんはカシナートの剣と聞いてどんな武器を思い浮かべるでしょうか。何となくカッコエエ名前で強力なため、めっちゃくちゃイカす剣を思い浮かべるのではないでしょうか。
ファミコン版かなんだかの何かの攻略本だか雑誌だか(どれかは失念)に、「名匠カシナート」とか書かれており、「なるほどカシナートという伝説の職人が精魂込めて作り上げた剣、それこそがカシナートの剣なのか!」と思った人も多いはず。
ぼくもそうでした。
とにかく「カシナートは強力でイカす武器」そのイメージはゆるぎない。
しかし、これがどうもそうではない。ていうか、カシナートの剣は剣ではないらしい。
カシナートの剣はミキサー?
答えを言っちゃうとカシナートの剣はミキサーです。フードプロセッサーです。
これは、『ウィザードリィ』の原作者のひとり、ロバート・ウッドヘッドさんが『ウィザードリィ プレイヤーズ フォーラム Vol.1』で明言しています。
インタビューの中で、カシナートは「フードプロセッサーの刃が棒の先端についた武器」だと言っているのです。
フードプロセッサ?どういうこと?
日本では『Wizardry』って「本格派で硬派なファンタジーRPG」というイメージが定着していますが、実はかなりパロディやギャグやネタがちりばめられているバカゲーだったりします。カバやカピバラが敵としてでてきたり、忍者は裸のほうが強かったり、そもそもニンジャとかハタモトとか入れる?ってカンジですもんね。
そして、カシナートの剣もそんなバカネタのひとつなのです。
その元ネタは調理器具メーカー、クイジナート(Cuisinart)社のハンドミキサーです。クイジナート社は当時アメリカで50%のシェアを誇っていたそうですが、今もあります。
これが、カシナートの剣!
『ウィザードリィ』の中では「魔法(物理)エネルギーと機械的構造の組み合わせで刀身が高速回転し、魔物(食材)を切り刻む(カシナートの剣 (かしなーとのけん)とは【ピクシブ百科事典】より)」という滅茶苦茶な武器ですが、今は充電式!
最後に
というわけで、カシナートの剣はミキサーです。古いプレイヤーが若い人がウィズ遊んでると分かると酔った勢いでいい気になってしゃべったりするのは、これです。
ちなみに、シナリオ#4では秘薬を作るときのかき混ぜ棒としてカシナートの剣が要求されますが、さもありなんってカンジですね。