1984年に発売された、エニックス(現スクウエア・エニックス)の『ザース』というアドベンチャーゲームがあるんですが、当時、その『ザース』に我々中学生はまんまと騙されたのだ!金返せ!
「あらやだ騙されただなんて相当なクソゲーだったのネ」と皆さん思われたでしょうが、答えは否。
では、エニックスはぼくらに何をしたかご説明しましょう。
その前に軽く『ザース』の説明を。
ザース
『ザース』は、1984年にエニックスより発売されたSFアドベンチャーゲームです。
エニックス初期のゲーム作品群の中では、かなり良くできたゲームだといって差し支えありません。
MSX版のパッケージ。ていうか、パッケージは全部同じですね。
見てくださいこのSF感!ヒーローと、ヒロインと、後ろは…エート誰だっけ?ヤセてるマツコ?いやいや違う。たしか敵のアタマのひと。違ったっけ?
それはさておき、SFの世界(当時のアドベンチャーゲームはSF多かったけど)が、当時においてダントツの美しさのグラフィックで表現されていて、ぼくらは確かに魅了されたのです。
当時のパソコンゲームの情報源
さて、エニックスはぼくらに何をしたのか、そろそろ書きましょうか。
当時パソコンゲームの情報源は少なく、それは主にパソコンゲーム雑誌によっていたわけですが、重要な情報源として広告があります。メーカーさんが「このゲームこんなんだよ買ってね!」と商品を紹介してる、まぁチラシですね。
エニックスは作品が当時から多かったため、ひとつのゲームにつき画面写真が1枚で、それがバーッと1ページに何枚も並べられスペックだけ書かれてる、みたいな広告でした。そこに載せた『ザース』の画面写真で、ぼくらは騙されたのですよ!
『ザース』の画面写真
まず見ていただきましょう、その写真を。そしてビビッていただきましょう。
どうぞ!
可愛すぎる!
やっぱり、何度見ても、今見てもカワイイなぁ。そしてやっぱりこの画面は、当時の水準をはるかに凌ぐ美しいグラフィックです。で、この画面が広告に載ってるわけなんですよ。
ぼくら中学生じゃないスか、だからもう、なんていうか「このカワいい娘とアドベンチャーしたい!」って思うじゃないスか。そして遊ぶでしょ!
ちなみにこの娘さんは、ミリカという名前です。
ミリカ
もうぼくらはミリカとアバンチュールしたくて『ザース』で遊ぶわけです。
ドキドキしながらフロッピーディスク(あるいはカセットテープ)をセットしてロードするんです。
そしてプロローグが始まるわけです…。
冒頭からこの画面出てきますよ、いきなりミリカですよ!興奮したんです、ぼくらは。
「うおおおお!ミリカだ!」
主人公であるぼくに、画面の中のミリカは言うのです。自分が住んでる村を助けてくれ!と。
「任せろ!俺が助けてやるぜ!さっそくだけど、キミの村までアバンチュールしようか」
とか独り言を言ってたら、気が付くと画面の中にミリカはいない。そして終わるプロローグ、唐突に始まるメインストーリー。やはりミリカはいない。
ミリカは、プロローグで主人公に助けを求めに来た村人Aという役割だけを持っていたのです。
ガッデム!
村人Aをそんなに書き込むなよな!なんてこったいエニックス金返せ!とぼくらは怒り狂ったのでした。
最後に
もし今だったら、みんなミリカ目当てで購入して課金して「騙された!」とか言ってネットが大荒れしそうな話です。
とにかく、騙されました。エニックスさんには、いつか落とし前をつけていただきたい。