先日、娘が帰宅するなり言ってきました。
「ねぇねぇ、電器屋のビッグカメラって“グ”じゃなくて“ク”なんだってー。ビックカメラ。知ってた?」
ぼくは「知ってた」と答えました。
「なんで?」聞いてきました。
「知らん」とは言えません。
そこで、「ちょっと忙しいからあとで」とか正月休みなのに忙しがって娘から遠ざかったあとグググっとググって調べてみました。今まで「あ、ビッグじゃなくてビックなんや」と思っても思ったままスルーしていたので、まぁ知るにはいい機会でしたね。
ビッグカメラじゃなくてビックカメラ
(CC 表示-継承 3.0, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=699508)
泣く子も黙るほどの家電量販店の大手ビックカメラ。英語表記でBicCamera。
これをビッグカメラ(BigCamera)だと思ってる人多いですよね。ぼくも割と歳を取っちゃうまでそう思ってましたし、ビックだと気づいてからも「なんか創始者の人が間違えて社名つけちゃってそのまんまなんやろな」くらいにしか思ってませんでした。
しかしこれ、明確な意図をもってそうだったらしい。
ビックカメラのサイトの「よくある質問」コーナーにその答えがありました。
よくあるご質問│株式会社ビックカメラ:株主・投資家情報サイト
Q:社名の由来をおしえてください
A:「Bic」はバリ島のスラング(俗語)です。「大きい(Big)」の意味を持つ一方、ただ大きいだけでなく中身を伴った大きさ、という意味もあります。「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて、「ビックカメラ」と命名しました。
Bicは「ただ大きいだけじゃなく中身をともなった大きさ」というバリ島のスラングなんですかそうですか。
そして創業者の新井隆司さんは、バリ島を訪れた際に現地の子供たちがこの「ビック」という言葉を使っているのを聞き、そしてその意味を知り会社の名前としたということらしいです。「ダイヤモンドのような~」とかいう余計な意味も込めちゃってるのがアレですが、まぁ、その意図はわかりました。
ビックは聞き間違い?
創始者の切なる願いと希望が込められたビックカメラの「Bic」ですが、さらにもうちょっと調べてみると、面白いことがわかってきました。
もしかしたら、バリ島で聞いた「ビック」という言葉は聞き間違いかもしれません。
Language Log: "Big" in Japan (and Bali)
このページで、言語学者のBenjamin Zimmerさんが面白いことを書いています。
曰く、バリ島には「Bic」というスラングはない、単語や発音を分析しても単語の最後の“G”は“C”に代わる例はない、インドネシア語には「baik」という「良い」とか「素晴らしい」という意味を持つ単語があり「baik baik」と繰り返して「大丈夫、大丈夫」みたいな意味で使う、らしい。
ええー、聞き間違いが社名に???
最後に
聞き間違いだとしたら、何だかなぁ、というカンジですが、しかしもうビックカメラという社名は日本中に認知されてるんですから問題ない問題ない。baik baik。