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『水滸伝』のエロいスピンオフ『金瓶梅』が中国の四大奇書に入るわけ


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中国の四大奇書って知ってます?

『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、そして『金瓶梅』です。

四大奇書と言われてサッパリわからないって人でも『三国志演義』と『水滸伝』と『西遊記』は知ってる人は多いです。しかし『金瓶梅』は他の三作品とくらべると全然知名度がありません。

ちなみに「奇書」の「奇」は「おかしい、奇妙だ」という意味ではなく「優れている」という意味ですからね。高山彦九郎について書いたときにも書きましたが。

まぁそれはいいんですが、今回はその『金瓶梅』についてダラダラと書きます。

『金瓶梅』とは

そもそも『金瓶梅』とは一体どんな小説なのでしょうか。

『金瓶梅』(きんぺいばい、拼音: Jīn Píng Méi)は、明代の長編小説で、四大奇書の一つ。著者は蘭陵の笑笑生ということになっている。万暦年間(1573年 - 1620年)に成立したと考えられている。序にあるように猥書すなわち官能小説として知られ、しばしば発禁処分をうけた 。タイトルの『金瓶梅』はストーリーの中心となっている3人の女性、潘金蓮、李瓶児、春梅(龐春梅)の名前から1文字ずつ取ったものである。

引用元:金瓶梅 - Wikipedia

 官能小説!官能小説ですよ男子諸君!鼻血ブーじゃありませんか!

西門慶(さいもんけい・せいもんけい)というイケメンと、その奥様と愛人計6人の欲望と愛憎が昼ドラ顔負けのドロドロ具合で描写されています。

ああ、鼻血ブー。

潘金蓮と西門慶

ここまで読んで「あれ?」って思った人は『水滸伝』好きですね?

「ストーリーの中心となっている3人の女性」のひとり潘金蓮(はんきんれん)はそうです、『水滸伝』の108人の豪傑のうちのひとり武松(ぶしょう)の兄である武大(ぶだい)の奥さんその人です。

『水滸伝』では潘金蓮はイケメンの商人、西門慶とエロい間柄になり、邪魔になったブサイクな旦那の武大を毒殺し、復讐に燃える武松に殺されます。ちなみに西門慶も殺されます。さすが殺しまくりの『水滸伝』、容赦ないです。

『水滸伝』のスピンオフ

『水滸伝』ではアッサリ殺されちゃう潘金蓮と西門慶ですが、『金瓶梅』では殺されずに一緒に暮らすという設定になっています。その暮らしはもうここでは書けないくらいのエロさですが。

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つまり、『金瓶梅』は「もし武松が復讐に失敗したら?」という設定のもと、書かれたパロディなんですね。エロいパロディ、エロいスピンオフドラマです。

『水滸伝』がまったくもって漢のハナシで、女性はむしろ虐げられているどころかそれに対しては無関心なものです。『金瓶梅』はその真逆をいくパロディなんですね。

まー読んでみてください、エロいから。

『金瓶梅』が四大奇書に入るわけ

この『金瓶梅』、冒頭で書いたように中国の四大奇書のひとつとされています。こんなエロ小説が『三国志演義』や『水滸伝』、『西遊記』と並び称されるなんてあり得るのかってカンジですけども、やっぱりそれにはワケがあるんですね。

なぜ『金瓶梅』が評価されるのか、見ていきましょう。

作者と読者の一対一の関係の成立

『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』もそうですが、それまでの中国の小説というのは講談を基に編集され書かれていました。講釈師が聴衆の前で語り継いできたものを小説にしていたわけです。

ところが『金瓶梅』は、最初から作者が読者に向かって小説として執筆したものです。これは、中国文学史において画期的な最初の出来事でした。

そりゃエロくても後世に残さないとならなくなっちゃいますよ。

露骨な描写

『金瓶梅』は何度か発禁処分を受けています。エロいから。露骨にエロいから。

そして露骨なのはエロだけじゃなく、商人西門慶の贈賄収賄もそのまんま書かれています。西門慶が生きた宋の時代ってのはちょっと調べればわかりますが、腐敗しきってます。

『金瓶梅』はそのエロと腐敗をガッツリとパロディとして書いています。“パロディとして”ってのがミソで、だから世相へのアンチテーゼにもなりますし、皮肉が効いた文学にもなるのです。

そりゃエロくても腐ってても後世に残さないとならなくなっちゃいますよ。

細かすぎる描写

『金瓶梅』は男と女の愛憎を中心に書かれているエロですが、その際の描写は実に細かい。例えば女性が着ているモノやアクセサリなどについてもくどすぎる説明がついています。

そして、衣食住すべてにおいてそんなカンジでもう読むのがメンドくさくなるレベルですが、しかしだからこそ当時の市民の生活が読み取れるのです。

つまり、大衆史の正確な資料になり得るというわけですね。

そりゃエロくても腐っててもくどくても後世に残さないとならなくなっちゃいますよ。

今、日本で『金瓶梅』を読むなら…

さて、この『金瓶梅』、エロいとはいえ中国文学ですから、読むのもしんどいと思われる方が多いと思います。

そんな方には竹崎真実さんのレディースコミックをオススメしたい。ぼくも、「レディースコミックと『金瓶梅』、相性絶対バツグンじゃないか!」と読んだことがあるのですが、普通に面白いです。もう愛憎がドロッドロです、ドロッドロ。

興味あるかたは、是非。

最後に

『金瓶梅』は正直簡単に読めるものでもないですけど、人間の愛憎とエロと腐敗をウマくパロディにしてるところは単純に素晴らしいと思います。一度読んでみてはいかがでしょうか。

実は日本でも映画化もされてるんですけど、全然『金瓶梅』じゃなくなって、ただのエロ映像作品にしか見えませんでした。まぁ、映画にしたらそうなっちゃうでしょうね。なのでやっぱり読んだほうがいいかと思います。

あと、今回調べててネットで検索してて思ったんですが、やっぱりそっち系のお店の店名に使われてるのが多いみたいですね。

しょうがないけど。