いやぁスゴかったですね、今回のWBCは。
もう単純に日本が優勝して良かったですよ。
で、今回の優勝で侍ジャパンを率いた栗山監督の評価が上がりまくりです。まぁファイターズ監督時代から「理想の上司」なんて言われてたんですが、今回の優勝でカッチリとイメージが固まったカンジです。そして、浅くて軽いメディアがこぞって持ち上げてるんですが、どうなの?って思ってます。
(画像掲載元:File:Hideki Kuriyama 20230310.jpg - Wikimedia Commons)
栗山英樹は令和のリーダーなのか
例えばこんな記事。
ああなるほど。「Z世代の心をつかむ」ねぇ。
確かに、栗山監督は若い選手から評価がいいし、それは当然だと思います。ああそうなのか、サッカーの森保監督も同じような評価で、並んで絶賛されてるんですね。
両氏とも、高圧的に上から指示を与えるのでなく、選手からの意見を尊重し、主体性を引き出してきた。大谷の二刀流も、その象徴だ。
今までの上司って確かに支持を与えるタイプが多いですね。企業ではやっぱり長くいるだけで上に立てるところもまだ多いですから当然です。
だからこそ、「栗山さんはそうじゃない、選手に寄り添って信頼して、そして力を引き出している。すごい」というわけですね。
うーん、どうなの?
実は新しくないリーダー像
いや別に、ぼくは栗山さんを貶めたいわけではないです。今回の準決勝メキシコ戦の最終回、一塁に代走周東を出したところから野球の監督としての評価は爆上がりですし。
しかし、Z世代に迎合してただのお飾りでしかないポンコツなのに「俺はえらいんだ」とか思ってる上司が真似してやったらエラいことになるよ、と言いたいのです。そして、実は別に「新しいリーダー像」でもないし。
メンバーが重要
栗山さん(と森保さん)がそういうやり方ができるのは、当然ながら理由があります。それが、選手たちです。彼らの質です。
侍ジャパンは、トップレベルの選手がさらに選抜されたエリート中のエリートです。あれだけ高いレベルで自走できるメンバーが揃ってたらそりゃそういうやり方が可能でしょう。極論すると、いなくても試合は出来るし勝利も可能でしょう。
しかしこれを、叱れば拗ねて帰ったり泣いたり塞ぎこんだり「パワハラだ!」と言うような若造が集まった組織でやったら、みんな和気あいあいで楽しいでしょうけど、その組織は何も生み出さないし会社の荷物だし迷惑にしかならんでしょう。
組織のメンバーの質、これが伴わないとこれは無理です。
普通の野球の監督
そしてそもそも、こういうやり方って野球の監督としては実は普通です当たり前です。少なくとも、ベースボールではそうです。ニッポンの野球の場合は日本に来たときに精神論根性論とくっついて発展してきたので栗山さんが新しいやり方の監督に見えちゃいますが。
野球の監督って、実は選手の鍛錬よりもメンタルやテンションの調整とコントロールことこそが最大の仕事です。選手をマネジメントすることが。だから、他のスポーツの監督は英語でヘッドコーチと言うのに野球の監督だけはマネージャーというのです。
野球は他のスポーツと違って非常にメンタルが影響するスポーツです。不思議なことに。だから、そういうリーダーのほうが必要なんですよね。
ってなんか以前書いたような気がしますね…。
書いてましたね。
つまり、栗山監督はそういうベースボールのやり方を徹底したからスゴいんであって、新しい指導のやり方で世間におもねってるわけではないのです。強い野球チームの監督って大概あんなカンジです。
最後に
というわけで、栗山監督は優れた野球監督です。新しいリーダーではありません。ここはマジで履き違えてはいけません。
別に「理想の上司」「新しいリーダー像」とかってもてはやすのはいいんですけども、実力で上に立ったわけじゃないポンコツなオッサン上司は絶対にマネしないでください。組織が弱まるだけです、マジで。かといって自分がポンコツだから結果はいっしょだったりして。
ポンコツは自分のことポンコツだってわかってないから、色んな悲劇が生まれそうで何だかなぁ。