非常に面白い2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』なんですが、いよいよドロドロの権力抗争が始まりその描き方もえげつなく、今まで三谷大河をスルーしてたぼくも三谷幸喜に脱帽!みたいになってます。
で、面白くなってくるとドラマのラストが気になってくるのが人間の性なわけで、ぼくもそうなっちゃって最近ラストを考えちゃったりしてるんですが、考えれば考えるほど怖くなってきました。
承久の乱から義時の死へ
以前、梅干しおにぎりのことを記事にしたときに書いた通り、『鎌倉殿の13人』最後のクライマックスは多分承久の乱です。
鎌倉で権力を確立した北条義時が朝廷と戦ったのが承久の乱ですが、この戦いに鎌倉幕府が勝利したことの日本史的世界史的意義は非常に大きいですし、この乱のあと義時は官を辞し死を迎えることになるわけですから、ここがラストになるのは間違いないでしょう。
義時の死因
じゃあそのラストの義時の死をドラマでどう描くのか、史実を三谷幸喜さんがどう料理するのか。
史実とフィクションを巧妙に織り交ぜているここまでの展開を考えると、ラストだって史実をベースに「もしかしたら本当にそうだったんじゃないか」と思わせてくれることでしょう。
だから、そのラストを考えるには義時の死因を知っておかなければなりませんが、義時は62歳で急死していますが、その死因はさまざま伝わっています。鎌倉時代の基本史料である『吾妻鏡』によると、義時は衝心脚気で亡くなったとされます。
しかし権力者が急に死んだのは不自然と考える人が出るのは当然のことで、当時の公家である藤原定家の日記『明月記』には後妻の伊賀の方に毒殺されたという風聞があったと書かれてたりしますね。
そして、義時の死についての書かれているものの中に、『保暦間記』という史料があり、これは鎌倉後期から南北朝時代の基本史料になるんですが、これによると義時は近習の小侍に殺されたとあります。
彼ほどの権力者がそれまでにやってきたことを考えると、さまざまな方面からの恨みもあるでしょうし、急に死んだとなると誰かに暗殺された可能性もそりゃあるでしょう。
まさか…彼が義時を???
『明月記』のような日記ではなく、『吾妻鏡』や『保暦間記』のような史料をもって史実とするならば、義時は脚気で死んだか近習に殺されたかのどちらかになります。
で、ドラマのラストを描くときに脚本家がどちらを選ぶのかを考えると、そりゃもう殺されたほうじゃないか。だって、「あっ」と言ってポックリ逝ちゃうとか、ドラマのラストとして拍子抜けですもん。
となると、近習の小侍に斬りつけられ「お前…なんで…」っていいながら死んじゃうみたいな劇的なラストになるのでしょう。
「ほほう、近習の小侍か。一体誰が義時のような巨大権力を倒せるんだろう。おそらく、白昼堂々じゃなくて暗殺だろう?だとすると相当な腕前の持ち主でしょう。しかし、そんな人を義時は傍に置いておくのかな…?」なんてグルグルと考えていたんですが…。
そうしているうちにひとりの顔が頭に思い浮かんでぼくは固まりました。
(画像掲載元:登場人物 善児 (梶原 善) | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」)
善児!
義時が梶原景時より譲り受けたスーパーアサシン、善児!
なるほど、善児ならどれだけ警備を固めてもどれだけ警戒していてもターゲットをそつなく葬ることができるでしょう。
そうか、このオリジナルキャラクタはドラマのラストのために最初っから存在し人を暗殺しまくっているのか…。三谷さんやりますやん。
………なんて勝手に予想。
で、善児にやられるなんて逃れられるわけないやん怖すぎると泣いちゃったわけです。あるいは義時が「私をやれ」と命ずる展開かもしれず、そうなるともう予想の範囲を超えて三谷マジックを待つしかない。
そして、やっぱり楽しみになってくるわけです。
最後に
どうでしょう、この予想。だいぶいいとこ衝いてませんか。
しかし、三谷幸喜ほどの脚本家がぼくみたいなシロウトの考えうる範囲内で脚本を書くとは考えられないので、もっともっとスゲェことになるんじゃないかと勝手にワクワクしています。
ホント『鎌倉殿の13人』は面白すぎるなぁ!