さて毎週楽しみなNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
登場人物が史実通りバンバン死んでいく中、第34回は比較的穏やかだなーと思ってたらしっかり北条政範がいきなり死んじゃってああやっぱりってカンジですな。
とりあえず次回じゃないにしても次に退場するのは、もうフラグ立ってますけど畠山重忠くんですねー…。
ああああ、殺伐としてて大変面白いんですけどやっぱり重い。こんな大河今まであったかしら。
和田義盛がとびきり明るい
『鎌倉殿の13人』は、そんな殺伐とした大河ドラマですけども、そんな空気を吹き飛ばす存在がひとりおります。
それが、13人のうちの一人、和田義盛です。
演じるのは横田栄司さん。
ドラマの中の義盛は明るく豪快で単純で真っすぐな性格、これぞ「武者」という描かれ方をしていますよね。
実際史実でもそのようだったようで、周囲の坂東武者からの尊敬を集める愛すべき人物でした。
重ねて書きますが、ドラマの中の和田義盛は随分と周りとも仲が良く、声もデカい、デリカシーがないけどひたすら真っすぐな人物で、なんというか、三谷幸喜作品のコメディ部分をひとりで背負ってるようなカンジになってきて見てるとホッとするし笑えるキャラクタになっています。
しかし、それがね、ツラいんです。
和田義盛の和田合戦
さて、ここからは歴史の教科書を「ドラマのネタバレだ」と言う人は見ないでくださーい。
和田義盛が明るいと何がツラいか。その性格を北条義時に利用されて死んじゃうことになるからです。
和田義盛が滅ぶのは和田合戦を起こしたからですが、これは和田義盛が鎌倉を攻める戦いになるんですけども、その発端というのが、北条義時の挑発行為に単純な義盛が乗っちゃったところなのです。
1213年に泉親衡が頼家の遺児を擁立して北条氏を打倒しようとする陰謀が露見するんですが、この企てに義盛の子や甥がかかわってることがわかりました。義盛は急いで鎌倉に行って赦免を乞いますが子は赦されたものの甥は赦されず、助命嘆願に来ていた和田一族が控えるなか縛られて引き立てられ、和田一族は大きな恥辱を受けました。その後、義盛の甥は流罪となりましたが、罪人の屋敷は一族に下げ渡される習わしなのに、甥の屋敷は義盛に一旦与えられたもののすぐに没収されました。度重なる恥辱に耐えられず、義盛は挙兵を決意します。そして結局2日ほど戦ったあとに力尽き義盛は討ち取られることとなります。
簡単にザックリと書きましたが、これが和田合戦。
おそらく、攻め滅ぼす大義名分を得るために義時はわざと義盛の性格を利用して挑発したんだろうと思います。そして、三谷さんもおそらくそのカンジで脚本を書いているんじゃないかなと思ってます。
それだから、逆に現在の和田義盛の屈託のない笑顔を見るのが辛いのです。「なんで義時といっしょに鍋つついてんの、お前だまされるんやで」となっちゃうのです。つらい。
最後に
とか考えてるということは、きっとぼくは三谷マジックの術中にハマってるんだと思います。しかし、この和田合戦の際の胸糞悪い義時の所業を三谷さんは一体どう描くのか、震える思いで待ってます。
おっとその前に畠山重忠だ!